VALUES 代表者ブログ

マーケティングオートメーション(MA)について

2021.3.24

「MA(マーケティングオートメーション)は導入した方がいいですか?」
「MAをやりたいんですけど手伝ってもらえませんか?」


という相談をもらうことがよくあります。
一時に比べるとだいぶ減ってきていたのですが、コロナが始まって、また少し増えてきた気がするので、説明の手間を省くためにも(笑)、私の考えを書いておこうと思います。


「MAにお金と時間を使うくらいなら、自社の商品やサービスの品質を高めたり、社員やお客さんとの信頼関係の強化にもっと力を割いた方がいい」と、私はこの2~3年くらいの間、言い続けています。


なぜなら、MAはほとんどの企業にとってコスパが悪い(成果が出ない)と思っているからです。大企業や有名企業の特定の事業領域であれば、効果を発揮する可能性は十分ありますが、当社のメイン顧客である中小・ベンチャー企業において、その中でもBtoBビジネスなんかだと、無意味どころか、会社の足手まといにさえなってしまうツールだと考えています。


主な理由は以下5つです。


① 日本には馴染まない → なんか気持ち悪い(WEBリテラシーが高まり、そう思う人が徐々に増える)
② 個人情報の問題 → コンプライアンスやCookieの問題は今後も加速する(ブラウザの度重なる仕様変更にベンダー側がついていけない事態も想定される)
③ 本来の目的を見失う → ニーズとタイミングを知ることが目的になり、時間の無駄遣いをする
④ 対象データが少ない → 無意味なアクセスが増えるだけのコンテンツマーケティングに労力を割いてしまう
⑤ データが豊富にあっても活用できない、または活用しようがない → 巷に溢れているような陳腐なAIの判定結果みたいに「・・・で?」ってなる


以上、詳細は長くなるので割愛しますが、もし興味があれば、私と会ったときにでもお声掛けください。


MAは一見魔法の杖のように聞こえるため、営業サイドからすると非常に売りやすい商品です。「営業やマーケティングをデジタル化しましょう」「インサイドセールスを始めましょう」「社長、DXしましょう」でアプローチすれば一定確率は刈り取れますからね。(これはMAに限らず、タクシーでCMを流しているようなデジタル系のサービスは大体そうですが)


ただ、結局は成果が出ないと使われなくなるので、MAはコロナ後に1~2周回ったら(コロナ前に既に1~2周回っている)、徐々に利用者は減っていくんじゃないかなと思っています。これまで私が知る限りは、MAを入れて成果が出たという話は聞いたことが無いので、もし認知度の低い中小・ベンチャー企業の成功事例があるなら教えて欲しいくらいです。


使い方によっては、非常に価値のあるツールだと思っているので、MAそのものを否定しているわけではありません。ただ、目的や用途、運用イメージなど、ある程度考えて導入しないと、うまくいかないと思いますし、たとえ十分に考えたとしても、多くの中小企業・ベンチャー企業にとってはコスパが悪いツールかなと思っています。少なくとも、今の形態からは何かしらの変化、アップデートしないと日本で普及するのはかなり厳しいような気がしています。


これからの企業経営において、デジタル化は必要条件の一つです。ただ、決してそれで十分ではないという前提で、資源配分のバランスを経営者は考えていかないといけないなと思っています。商売をうまくいかせるには、むやみやたらに効率化することよりも、義理と人情を大事にする方が重要だったりしますので。


※ちなみに矢野経が公表している市場調査では、MAはこれからも伸び続ける見通しのようです。
矢野経済研究所 MA市場に関する調査(2020年)